山梨智彦氏のデザインルールとしてのBIM使用方法に関する講演内容が面白かったので紹介したい。
以下に紹介するプロジェクトに関して共通しているのは、BIM機能を持つCADによる3D情報を元に、環境熱、避難経路、風、人工照明、天空率等の専用ソフトを用い、必要に応じた視覚的シミュレーションを行っている点である。 自分の提案する計画案を、仮想世界(PC)で目に見える形(静的又は動的な2D,3D映像)でシミュレーションすることにより、自らも確認できるし、第三者に対し非常に分かり易く内容説明ができる。
言うまでも無いことであるが、彼が自ら携わる全てのプロジェクトに同様の手法を用いているとは思われないし、ましてや僕のような小事務所では、やりたい気持ちはあっても、ハードルは高い。
*天空率 下写真と詳細説明は下記サイト参照。斜線制限と必要面積確保から天空率制度を利用。 プロジェクト名;神保町シアタービル

*環境熱・避難経路 プロジェクト名;ソニーオフィスビル(大崎) 2009年2月の着工 2011年2月の竣工予定。 (註)以下のスケッチは僕の記憶を基にしたもので、紹介された映像とは異なります。
 日よけすだれのように建物に入る直射日光の軽減と、屋上で蓄えられた雨水を鉛直面に格子状配列された細い透水管内を流し、気化熱で建物周囲の温度をさげるという二つの役割を持つ。サーモレンダーで計算したところ3度下がる効果が得られたとのこと。意匠的にも優れた効果をもたらしている。
 緊急時の事務室出入り口周り他の混雑状態(人の衝突)を、専用ソフトを用い、動的なシミュレーションで説明をしていた。階段室Cが無くても法的には問題ないが、ベランダに付属した階段を設置した場合とでは、全員が避難するのに要する時間に大きな差が見られた。階段数が増えたから当然ともいえるが、彼の説明によれば、緊急時、人は外気に早く接したいという気持ちが働くため、開口部に面したベランダがより有効な避難経路として活用できるとのこと。
*風 プロジェクト名;不明 (註)以下のスケッチは僕の記憶を基にしたもので、紹介された映像とは異なります。
 風の流れを専用ソフトでシミュレーションした例。1階スラブ下、1〜2階にスリットを設けることにより、風の流通が良くなり、中庭の植生に豊かさをましたとのこと。
*照明 プロジェクト名;不明(美術館) (註)以下のスケッチは僕の記憶を基にしたもので、紹介された映像とは異なります。

専用ソフトを用い、美術館の作品鑑賞に相応しい照明環境を実際に近い映像で検討した例。スロープの外部開口部の高さと展示室内部のLEDに関するシミュレーション。LEDについては野縁を避け不規則に配置されている。
テーマ:建築デザイン - ジャンル:学問・文化・芸術
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